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法話・提唱

学道用心集-1

(一)菩提心を起すべき事 右について。菩提心は、名は多くありますが、ただ一つの心です。 竜樹祖師は、「ただ世間のものごとが生滅してとどまることのない無常ということを観察する心もまた菩提心と名づける」と言っておられます。ということであってみると、さしあたり、この世間の無常を観察する心が、菩提心ということになりましょうか。 まことに、世間の無常(特に死)を観察する時は、吾我というものに執着する心は起りません。名誉、利益を追い求める気持ちも起りません。ただ、時日がたいへん速やかに過ぎ去るのを恐怖るばかりです。 ですから、仏道を修行するには、頭髪に火がついたのを救いのけるように、一刻の猶予もありません […]

普勧坐禅儀-1

普勧坐禅儀 訓読文 原(たず)ぬるに、夫(そ)れ道本円通(どうもとえんづう)、争(いか)でか修証(しゅしょう)を仮(か)らん。 宗乗(しゅうじょう)自在、何ぞ功夫(くふう)を費(ついや)さん。 況んや全体逈(はる)かに塵埃(じんない)を出(い)づ、孰(たれ)か払拭(ほっしき)の手段を信ぜん。 大都(おおよそ)当処(とうじょ)を離れず、豈に修行の脚頭(きゃくとう)を用ふる者ならんや。 然(しか)れども、毫釐(ごうり)も差(しゃ)有れば、天地懸(はるか)に隔り、違順(いじゅん)纔(わず)かに起れば、紛然として心(しん)を(の)失す。 直饒(たとい)、会(え)に誇り、悟(ご)に豊かに、瞥地(べつち) […]

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